小技チョコレート

ちょっとした小技を紹介するだけのブログです。

Linuxの音楽再生ソフト・動画再生ソフトをAndroid端末で操作する方法

Linuxで起動している音楽再生ソフトや動画再生ソフトを、Android端末から操作する方法を紹介します。


〈目次〉


機能

Android端末から、これらの操作ができます

  • 再生/一時停止*1
  • 早戻し/早送り
  • 前の曲(ファイル)/次の曲への移動
  • 曲(ファイル)の特定の位置への移動(シークバーの操作)
  • 音量の変更(操作対象である個々のソフトウェアの音量のみを変更できる)

必要なもの

  • LinuxAndroid端末は同じLANに接続している必要があります。
  • Linux側にはこの2つのソフトをインストールします。
    • KDE Connect
    • KDE Connect Indicator
    • ※ただしLinuxのデスクトップ環境がKDE Plasmaである場合は、この2つのソフトはデフォルトでインストールされているかもしれません。また、デスクトップ環境がGNOMEである場合は、GSConnectというGNOME Shell Extensionで代用できます
  • Android端末にはこちらをインストールします。

設定の手順

デスクトップ環境がKDE Plasmaである場合は、下記の説明とは手順が異なるかもしれません。また、デスクトップ環境がGNOMEであり上述のGSConnectを使う場合は、設定の手順と使い方についてはLinux Fanさんの記事をお読み下さい。

LinuxのソフトウェアセンターやパッケージマネージャでKDE ConnectとKDE Connect Indicatorを検索し、インストールします。

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(例えばManjaro Linuxのパッケージマネージャ(Pamac manager)で“kde connect”と検索すると、このようにヒットします)

端末(Terminal)からインストールする場合のコマンドは、Linuxディストリビューションによって異なります。

Linuxファイアウォールに設定を加えます(設定の詳細)。ファイアウォールufwであれば、Terminalでこのコマンドを実行します。

sudo ufw allow 1714:1764/udp
sudo ufw allow 1714:1764/tcp
sudo ufw reload

Google Play Storeから、Android端末にKDE Connectをインストール。

LinuxKDE Connect Indicatorを起動すると、画面内のいわゆる「タスクバー」などにKDE Connect Indicatorのアイコンが表示されますので、これを右クリックして現れる“Configure”をクリック。

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(縦長のスマートフォンのような形のアイコン。この画像では右から6番目。)

すると、このような画面が出ます。

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“Refresh”というボタンの上側の欄に、KDE Connectをインストール済みのAndroid端末が表示されます。この画像では“BNT-71”という端末が表示されていますので、これをクリック。すると、この画面の右側に“Request pair”というボタンが出ます。これをクリック。

すると、Android端末に“Pairing request from ○○”という通知が来ます。

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この通知内の“ACCEPT”をクリック。すると、この画面になります。

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そしてこのときLinux側でも、このAndroid端末と連携できたことを示す画面になります(下記のように端末名の左側にアイコンが付くなど)。

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この画面で“Available plugins”と書いてあるところの下に複数のアイコンが並んでいます。音楽や動画の操作をするためには、必ず“Multimedia control receiver”にチェックを入れておきます(他の項目へのチェックは必須ではありません)*2。そして画面下の“OK"をクリック。

次に、Android端末のKDE Connectの画面で下記のように“Multimedia control”が表示されていることを確認します。

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もしそこに“Multimedia control”が表示されていなければ、その画面の右上にある「︙」のアイコンをタップし、“Plugin settings”の画面に入ります。


(最下段に“Multimedia controls”)

“Plugin settings”の画面で“Multimedia controls”にチェックを入れておきます(他の項目へのチェックは必須ではありません)。

設定はこれで終わりです。

使い方

上述のとおりLinux側にはKDE ConnectとKDE Connect Indicatorという2つのソフトをインストールしましたが、音声/動画の操作をAndroid端末から行おうとする際に、後者(KDE Connect Indicator)を起動する必要はありません。また前者はLinuxの起動時に自動で起動するしくみになっているようです。Android側のKDE Connectも、デフォルトでは自動で起動するはずです。従って、KDE ConnectとKDE Connect Indicatorのインストール後は、特に下準備などを必要としません。

Linuxで音声や動画を再生するソフトを起動し再生を始めると、Android端末に通知が出ます。この通知からは〈再生・一時停止・前の曲へ移動・次の曲へ移動〉という操作ができます。Android端末の画面ロック中にも通知を表示する設定にしておけば、画面ロック中でも通知からの操作ができます。

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同じく、再生中にAndroid端末のKDE Connectを起動し、“Multimedia control”をタップすると、このような画面になります。より多くの操作ができます。

この画像ではGoogle Play Music Desktop Playerを操作しており、操作対象のソフトの名前が中央あたりに表示されています。Linux側で他のソフト(例えばVLCメディアプレイヤー)を同時に起動していれば、下記のように操作対象のソフトを選択欄で切り替えることができます。

*1:Chrome系ブラウザのタブで再生している動画/音声の再生・一時停止もできる。

*2:使用しない項目(機能)からはチェックを外しておいたほうが快適です。

記事にするほどでもない小技集(5)

〈目次〉


LinuxMozcの「辞書ツール」を起動するコマンド

端末でこれを実行。

/usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=dictionary_tool

クリップボードの履歴で選択するだけで貼り付けが実行されるLinuxクリップボードマネージャー

筆者の使用歴のなかでは、これに当てはまるのはClipitだけです。

設定画面で「選択アイテムを自動的に貼り付ける」をオンにしておく必要があります。

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Linuxで画面の明るさを変更するGUIのソフト

使用時にコマンドラインを使う必要のないGUIのソフトに限って、紹介します。

なお、あらかじめ指定しておいた明るさを、Linuxへのログイン時に自動で適用する方法についてはこちらの記事をご覧ください。

Twitterで「○○さんがいいねしました」をタイムラインに表示させない方法

こちらの記事で解説されている設定をすると、表示されなくなります。

「最近のハイライト」や「Aさんがいいねしました」などとしてタイムライン上にフォローしていないユーザーのツイートが表示されていたが、設定を変更することでこれらを無効とすることが可能となった。

 設定から「重要な新着ツイートをトップに表示」をオフにすることで、タイムラインは完全な時系列表示となり、フォローしていないユーザーのツイートは表示されることがなくなる。

Google Play Musicで歌詞を表示する方法

Google Play Music Desktop Playerを使うと、曲によっては歌詞を表示できます。

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(歌詞表示中の画面。曲の進行に連動してスクロールされます。色は黒地に白字で固定されているようです)

各曲のタイトルの右あたりにある「︙」の形のアイコンをクリックすると、「歌詞を表示(Beta)」というメニューが表示されるので、それをクリックすれば歌詞が表示されます。

Ubuntu 18.04.1がロゴ画面から先へ進まなくなったときの対処法

起動中にUbuntuのロゴが表示されたところから先へ進まなくなった場合、こちらの方法を実行すると、正しく起動できる可能性があります。

文中でviを使う部分では、

「vi」で編集する場合は、以下のコマンドを実行します。

vi /etc/gdm3/custom.conf

ファイルが開いたら、以下の行を探します。

#WaylandEnable=false

行頭の「#」を削除し、以下のように編集します。

WaylandEnable=false

と説明があります。行頭の#の削除はdeleteキーを押せばできます。その後、Control + xとキーを押せば、テキストエディター(vi)の編集モードが終了します。

LinuxでHDDやパーティションが「読み取り専用」でマウントされたときの対処法

そのハードディスク(パーティション)がWindowsと共用である場合には、Linuxを一旦シャットダウンし、Windowsを一度起動してそれをシャットダウンしてから再びLinuxを起動してマウントすると、「読み取り専用」の状態が直る場合があります。

Manjaro LinuxShutterのアップデート後に編集ボタンが機能しなくなった場合の対処法

perl-Goo-Canvasを再インストールすれば解決すると思います。

はてなブログで使用されているテーマの名前を確認する方法

テーマの名前を知りたいブログをPCのブラウザで開き、左上のHatena Blogのロゴの右側にあるメニューを開いて、「このブログのテーマを見る」をクリック。

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Linuxで〈Ctrl+↑〉のショートカットキーが機能しないときのチェックポイント

Linuxで、Google Chrome または Chromium に、拡張機能の「Google Play Music」をインストールして有効にしていて、かつ、そのChromeChromiumを起動している間に限り、Ctrl+↑(カーソルキーの"Up") というショートカットキーが機能しない場合があります。*1

その場合は、ChromeChromium拡張機能の設定ページ(chrome://extensions/)にて、この拡張機能を無効(オフ)にすれば、Ctrl+↑ のショートカットキーが機能するようになると思います。

*1:拡張機能Google Play Music」を使用せず、単にブラウザでGoogle Play Musicのサイトを開いて音楽の再生などをしているだけであれば、ここで取り上げているショートカットキーの問題は起こらないと思います。

GNOMEのデスクトップ通知音が鳴らないときに視覚的に知らせる方法

※この記事は「通知音が鳴らないときの対処法」という文脈で書かれていますが、「通知音を出さずにデスクトップ通知の存在を知る方法」として読むことも可能です。


〈目次〉


GNOMEでは、デスクトップ通知の際に音を鳴らすためには、下記の画像のように設定画面の中の「サウンド」の項目の「音響効果」のタブで「警告音の音量」をゼロより大きくしておかなければいけませんが、そのようにしても音が鳴らない場合があります。

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音を使わずに通知を知らせる方法として、画面の一部を点滅させるという「視覚警告」という機能がデフォルトでGNOMEに備わっていますが(設定画面の「ユニバーサルアクセス」の中にある)、それも機能しない場合があります。

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その場合の対処法として、下記のNtofication AlertやRecent Notificationsというソフトを使うと便利です。

対策1:Notification Alert

GNOME Shell ExtensionsのNotifications Alertを使うと、通知が来ればデスクトップの「パネル」の中央にある時計の文字が赤/白で点滅し続けるので、通知の存在を視覚的に知れるようになります。

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時計をクリックして通知欄を開けば、点滅が止まります。赤以外の色も選べるようです。

Notification Alertのインストール方法と設定変更

準備

端末で sudo apt-get install chrome-gnome-shell と実行して chrome-gnome-shell をインストールします。

また、GNOME Shell EXtensionsのインストールにはWebブラウザが必要なので、WebブラウザとしてFirefoxを使う場合はFirefoxGNOME Shell Integrationというアドオンをインストール。ChromiumChromeを使う場合は、ChromeウェブストアのGNOME Shell integrationという拡張機能をインストールします。

Notification Alertのインストール

上述のアドオンや拡張機能をインストールしたWebブラウザNotifications Alertのページを開き、Notification Alertというタイトルの右側にあるスライド式スイッチを動かして"ON"にします。「ダウンロードしてインストールしますか?」と訊かれたら「インストール」を選択。それで完了です。

Notification Alertの設定変更

インストール後に、Notifications Alertのページでタイトルの右側にある工具のアイコンをクリックすると設定画面が開きます。

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(×アイコンの左)

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設定項目は、上から順に

  • 点滅させる色の指定
  • チャットの通知のみを知らせるかどうか
  • 通知をオフにしている状態でも知らせるかどうか
  • 点滅の速さ
  • 通知を知らせないアプリケーションのリスト

となっているようです。

対策2:Recent Notifications

上述のNotification Alertに似たものとして、Recent Notificationsというソフトもあります。こちらの記事で解説されています。

GNOME系デスクトップ環境で画面の明るさが維持されない問題の対処法

GNOMEや、GNOMEから派生したデスクトップ環境を用いるLinuxUbuntu、Manjaro GNOME Edition、Ubntu Budgieなど)において、ログイン後に端末で

$ xrandr --output VGA1 --brightness 0.7

などと入力すると、画面の明るさ(輝度)を変えることができますが、その操作を実行した後で、別のアクション(アプリケーションのウィンドウを開いたり、テキストエディタに文字を入力したり)をすると、画面の明るさが勝手に元に戻ってしまう(100%の明るさに戻る)という不具合が起こることがあります。

筆者は、この不具合を下記の4つのOSで経験しています。いずれも、GNOMEまたはGNOMEから派生したデスクトップ環境です。*1

  • Ubuntu 18.04 LTS
  • Manjaro GNOME Edition 17.1.10
  • Ubuntu Budgie 18.04 LTS
  • Zorin OS 12.3 Core

この不具合の対処法が、AdamKane41氏によりGitHubに発表されていたので、ここに和訳しておきます。*2 Ubuntu 18.04 LTSとManjaro GNOME Edition 17.1.10とUbuntu Budgie 18.04 LTSでこの対処法を実行してみたところ、成功しました(ログイン中には、明るさが勝手に100%に戻ることはなくなった)。


(ここからは翻訳)

※原文はこちら:Sometimes when I open a window (especially chromium) brightness controller resets brightness settings to default (not on app ui) · Issue #102 · LordAmit/Brightness · GitHubにおけるAdamKane41氏の回答

この不具合は /usr/lib/gnome-settings-daemon/gsd-color (GNOME Settings Daemon's color plugin) によって起こります。これがログイン時に自動で実行されることを防ぐことにより、xrandrコマンドなどで設定した画面の明るさや色を維持することができます。

設定方法

(1) GNOME Settings Daemon's color plugin は「自動起動するアプリケーション」にデフォルトで登録されていますが、デフォルトでは「自動起動するアプリケーション」のウィンドウ内に表示されない設定になっているので、端末で下記のコマンドを実行して、同ウィンドウ内に表示させるようにします。

sudo sed -i "s/NoDisplay=true/NoDisplay=false/g" /etc/xdg/autostart/*.desktop ~/.config/autostart/*.desktop

(2) 「自動起動するアプリケーション」を開きます(端末で gnome-session-properties と実行すれば開く*3)。そのウィンドウの中で、"GNOME Settings Daemon's color plugin"というタイトルのものを見つけ、オン/オフのスイッチを動かして「オフ」にしてから、このウィンドウを閉じます。

自動起動するアプリケーション
(「自動起動するアプリケーション」ウィンドウ内の"GNOME Settings Daemon's color plugin"。画像はGithubから引用)

(3) その後でログオフして再びログインし、上述のようなxrandrコマンドやBrightness Controllerのようなソフトで明るさや色を設定すれば、ログイン中にそれが勝手に変更されることはなくなります。

(4) そのとおりになったら、 GNOME Settings Daemon's color plugin を「自動起動するアプリケーション」のウィンドウ内に表示させるようにした上述の設定(1)を元に戻すために、下記のコマンドを端末で実行しましょう。

echo NoDisplay=true | find /etc/xdg/autostart ~/.config/autostart -name \*.desktop -exec sudo tee -a {} + >/dev/null

すべてをデフォルトに戻す方法

上述の設定をすべて取り消して元に戻すには、再び上述の1〜4を実行します。ただし、2のところで"GNOME Settings Daemon's color plugin"を(オフにするのではなく)オンにします。

(翻訳終わり)


その他の設定方法

Ubuntuの場合、 /etc/xdg/autostart/ に org.gnome.SettingsDaemon.Color.desktop というファイルがあります。これが、上述の手順において自動起動をオフにする対象となっているファイルでしょう。このファイルの内容は、デフォルトでは下記のようになっていると思います。

[Desktop Entry]
Type=Application
Name=GNOME Settings Daemon's color plugin
Exec=/usr/lib/gnome-settings-daemon/gsd-color
OnlyShowIn=GNOME;
NoDisplay=true
X-GNOME-Autostart-Phase=Initialization
X-GNOME-Autostart-Notify=true
X-GNOME-AutoRestart=true
X-Ubuntu-Gettext-Domain=gnome-settings-daemon

このファイルの末尾に、

X-GNOME-Autostart-enabled=false

と付け加えるだけでも、上述の手順の実行結果と同じ状態にできると思います*4*5

なお、この org.gnome.SettingsDaemon.Color.desktop というファイルは、ホームディレクトリの下の .config/autostart/ にも存在しているかもしれないので、存在していればそちらも同様に編集すべきかもしれません。

関連記事

*1:デスクトップ環境がXfceやCinnamon、KDE、MATEであれば、この不具合は起こりませんでした。

*2:訳者による補足を適宜入れていますので、原文にない文言もあります。

*3:Manjaro GNOME Editionなどのように、「自動起動するアプリケーション(gnome-session-properties)」がデフォルトではインストールされていないディストリビューションもあります。その場合は、この記事の後半に載せている「その他の設定方法」を実行すればよいと思います。

*4:このファイルをそのように編集するには、例えばテキストエディタとしてgeditを使う場合なら、端末で sudo gedit /etc/xdg/autostart/org.gnome.SettingsDaemon.Color.desktop と実行する。

*5:NoDisplay=true のところを NoDisplay=false に変えれば、"GNOME Settings Daemon's color plugin"が、上述の画像のように「自動起動するアプリケーション」のウィンドウ内に表示されるようになると思います。